Case 3

CASE3

女性・28歳


1年前の私は本当にどん底でした。

 

大学時代から付き合っていた彼氏にフラれたのが発端で気分が滅入ってしまい、仕事にも集中できずにミスを連発。

上司に怒られたストレスから不眠と過食に陥ってしまい、ブクブクと太ってしまったのです。

さらに、弱った心を悪徳な宗教団体に付け込まれ、100万円もする壺を購入してしまい、ローンの支払いのために闇金にまで手を出す始末…。

自分でもどうにかしなければとは思っていても、この負の連鎖からどう抜け出せばいいのかわからず、途方に暮れていました。

 

そんな時に、インターネットで隣町のフットサルチームのメンバー募集を見かけました。

元々スポーツに縁のない私でしたが、「生きててヨカッタ!」というフットサルチームらしからぬキャッチコピーに惹かれ、藁をもすがる気持ちで体験参加に申し込んだのです。

 

体験参加当日、団長と名乗る温厚そうな男性が私と対面するなり、落ち着いた口調でこう言いました。

 

『貴女には物の怪が憑りついていますね。さぞかし、ご苦労されたことでしょう。でも、もう大丈夫です。僕たちと一緒にボールを蹴って、邪気を追い払いましょう!』

 

私の身の上話は一切していないのに、全てが見透かされていたことに衝撃を受けました。

それから、団員のみなさんとフットサルをプレイしたのですが、不思議なことに、ボールを蹴るたびに躰の中に溜まっていた悪い気が消えていく感じがしました。

 

運動音痴な私は最初は上手にプレイできませんでしたが、みなさんの温かい指導の甲斐あって、終盤にはゴールも決めることができました。

そして、久しぶりに心の底から笑みがこぼれたのです。

 

今では、毎週土曜日にFC鷹の団でフットサルすることがライフワークになっています。

フットサルがない日は、毎朝、春日部の方角に向かって感謝のお祈りをしています。

これからは、私に生きる喜びを教えてくれたフットサルというスポーツ、そしてFC鷹の団というコミュニティを大勢の人に広められたらいいなと思っています。

 

(この話はすべてフィクションです。また、FC鷹の団はいかなる宗教団体とも無関係であり、宗教活動は一切行っておりません)