Case 5

CASE5

男性・49歳


私が会社から突然リストラを言い渡されたのが去年の夏でした。

うだるような暑さの中、呆然とした頭に蝉の鳴き声だけが響いていたのを覚えています。

 

それまで、私は趣味もなく、仕事一筋に生きてきました。

会社に見捨てられた私は、ひどく落ち込みました。

次の職を探すこともままならないほど無気力になり、長年連れ添った妻も子供を連れて家を出て行きました。

 

自宅に引きこもり、やることもなくインターネットを見ていたところ、ふとFC鷹の団の募集メッセージが目に留まりました。

スポーツは接待ゴルフしか経験がなかったのですが、何故かメッセージに惹かれて、練習へ参加してみることにしました。

まったくのフットサル未経験で中年の私を鷹の団のみなさんは、昔からの友人のように親しく接してくれました。

団長に身の上話をしたところ、親身になって話を聞いてくださって、「僕たちは貴方を全面的に応援しますよ。嫌なことを全部忘れて楽しんでください!」という言葉に心が救われました。

そして、みなさんと一緒に汗を流していると自然と笑顔がこぼれるようになっていました。

職を失ってから忘れていた生きる活力を取り戻したのです。

 

それから間もなく、ゼネコン会社への再就職に成功し、職場で22歳年下の女性と知り合い、来月再婚することになりました。

鷹の団に入っていなければ今の自分はなかったでしょう。

FC鷹の団は単なるフットサルサークルを超えた、私の心の拠り所です。」

 

(この文章はフィクションです)